「自分が本当にやりたい事って何だろう」「自分の人生について考える時間が欲しい」と考える人は少なくないのではないでしょうか。

今回はスウェーデン社会で一般的に浸透している、自分の人生について考える猶予期間の過ごし方についてお伝えします。

あるスウェーデン人女性の半生

以下は、私の友人であるスウェーデン人女性の半生です。

現在33歳の彼女は、臨床検査技師になるという目標を持ち、地元の大学で勉強しています。高校時代の彼女には、獣医になるという夢がありました。しかし、希望学科に合格するために必要な成績を3年間維持しなければならないというプレッシャーに追われた結果、心身のバランスを崩し、高校を一年間休学する事になりました。

高校卒業後、彼女はイタリアにオペアとして滞在し、イタリア語を学びます。帰国後は、地元の食品工場に勤務したり、大学で生物、化学等の科目を履修する等をして過ごします。

大学へ進学したいという意思ははっきりしていたものの、具体的にどんな職業に就きたいのかを模索するために、納得のいく決断ができるまで工場での仕事を続ける事になりました。

彼女がやりたい事を見つけ、大学の臨床検査学科に入学したのは、31歳の時でした。

モラトリアム期間とギャップイヤー

スウェーデンでは、上記の女性のように、高校卒業直後に進路を決めずに回り道をする人、一度は就職し、地に足の着いた生活をしながらも、近い将来に進学や転職をすると決めている人も少なくありません。一度社会に出てからも、自分の適性を考え、進路変更する事はいつでもできるのです。

スウェーデンでは、「仕事や学業から一時的に離れ、好きな事をする期間」の事を、sabbatsår (サッバツオール)と呼びます。

高校から大学、あるいは大学から大学院への進学までの期間にギャップイヤーを取る事が最も一般的ですが、社会人が長期休職あるいは退職し、モラトリアム期間中に新しい可能性を模索するという事もあります。

スウェーデン人がモラトリアム期間にすることって?

スウェーデン人が、人生のあらゆる時点で設けるモラトリアム期間中にやっている事というのは、語学留学、ワーキングホリデー、バックパック旅行、ボランティア活動、アルバイト等、本当に様々です。

一年間アルバイトをしてから、元々希望していた大学へ進学する等、あらかじめ期間を決めている人もいますが、自分が納得するまで、本当にやりたいと思う仕事や学問が見つかるまで、特に期間は決めずに色々な事をやってみようという人もいます。

多くのスウェーデン人は、英語が非常に堪能で、なおかつ行動力もあるので、アジアで英会話講師として働くなど、国内外問わず、接客、福祉、教育等、何かしら将来役に立ちそうな仕事やボランティア活動をしています。

このように、決まった枠の中でできる事、周囲から与えられた事をやるのではなく、自分から主体的に行動し、人間的成長の望める有意義な時間を作り上げるのです。

ABOUTこの記事をかいた人

近藤万祐子

神奈川県横浜市出身の30代の日本人女性です。2012年に、スウェーデン人男性と結婚し、スウェーデン南部へ移住しました。現在は、現地の大学で心理学と教育学を勉強しています。また、学業の傍ら、スウェーデン在住ライターとして、海外生活、留学、異文化理解、ヨーロッパと日本の教育などに関する記事を投稿しています。