近年では、バールさながらのカッフェが簡単に楽しめると、家庭用エスプレッソマシンもお馴染みの存在に。
日本ではネスプレッソ等が有名ですが、イタリアではコーヒー粉で有名なilly(イリー)やLavazza(ラヴァッツァ)、電気メーカーのDe’Longhi(デロンギ)も販売しており、そのお味はかなり本格的。キッチンに華を添えてくれるスタイリッシュなデザインもイタリアらしい。
スチーマー機能があるマシンだと美味しいカプチーノもでき、バールに行く必要がないのではとさえ思ってしまいますが、そこはやはりイタリア。
「いきつけの」バールで、「いつもの」(イタリア人は注文が大層細かい)カッフェを飲みながら、「いつもの」バリスタとお喋りする…そんな何気ない習慣を大事にするイタリア人。
どんなに家庭用エスプレッソマシンが進化しても、バール離れする日はまずこないでしょう。
家ではやっぱりマキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)
家庭用エスプレッソマシンが浸透してきたと言っても、やっぱり家でのカッフェはマキネッタ(モカとも呼ばれます)が主流。一家に一台どころか、サイズにあわせて2,3台あるのもザラ。
お味はエスプレッソマシンのカッフェとは一味違い、香ばしくてどこかほっとする素朴なお味。イタリア人でも、カッフェやっぱりエスプレッソマシンじゃないと、という人もいれば、マキネッタが好きという人も。
イタリア人にとっては、マキネッタで淹れるカッフェは、ほっとするマンマやおばあちゃんの味、と言ったところでしょうか。
マキネッタの使い方
マキネッタの構造は至ってシンプル。下部の水用タンク、そのタンクにはめる形のコーヒー粉用バスケット、上部のカップの3つの部品から成っています。手順は以下の通り。
- タンクに記されている水位(ない場合は安全弁下)まで水を入れる
- コーヒー粉用バスケットをタンクにはめ、細挽きのコーヒー粉を軽い山盛りになるよう均等に詰めます。決してスプーンなどでぎゅうぎゅうに詰めないこと。
- タンクとカップをしっかりと回して取り付ける。
- 弱火にかけて数分間加熱するとコポコポという音をたててコーヒーが抽出され始めるので、カッフェが大方出たら火を止め、出来上がり。
イタリアのコンロにはマキネッタ用の極小のコンロがありますが、日本のコンロだとマキネッタの大きさによっては置けない場合も。その場合は網などをコンロに乗せれば大丈夫です。
苦すぎるからエスプレッソはちょっと…という方がいれば、是非試して欲しいのが、モカに砂糖をティースプーン山盛り一杯入れて飲むこと。