パリの街中を歩いていると、晴れの日にも関わらず、いきなり頭上から水が降ってくることがあります。ある時はポタポタ、またある時はザバーっと大量に。

いったいこの水の正体とは何なのでしょうか?カルチャーショックっを禁じえないエピソードをご紹介します。

道を歩いていたら…

ある晴れた日。いつものようにパリの道を歩いていた筆者。何の用事だったかは忘れましたが、早足で目的地へ向かっていました。

パリではよく道に犬のフンが落ちていることがあるので、目線は足元に集中。うっかりすると踏んでしまいますからね。

そんな時、突如頭にポタポタ水が降ってきました。「通り雨かお天気雨だろうか」と不信に思いつつ、折りたたみ傘を取り出そうとすると、次の瞬間にはもう水は止んでいました。

目線を上に移してみると

マンション

おかしいと思ったんです。周りは雨が降っていないのに、私の上だけに雨が降るなんて変ですからね。頭上を見てみました。植木鉢が見えます。そして、底から水が滴っています…。

つまり、さっき筆者は、誰かが植物に水遣りをした直後に、運悪くその下を通りかかってしまったのです。多少腹立たしい気分になりましたが、文句を言ってもどうしようもないですし、そのまま気にせず歩き始めました。

フランス人には日本人の思いやり精神はなく、(率直に言うと)人の迷惑を考えない人々ですから、下に人が通ろうと自分には関係ないと思っているのです。

この時は2階か3階くらいからだったので濡れただけで済みましたが、例えばこれが7階など高いところからのものだったら、水滴とはいえ結構痛いと思うんですが…。

ボタボタァァっと激しい水音が!?

他の日のできごとです。その時筆者は玄関前で友人が出てくるのを待っていました。そこへ突如、またしても目の前で空から水が降ってきました。しかし、今回はポタポタというレベルではありません。

激しい水音を立てて地面に飛び散る水。跳ね返った水が足元に飛んできました。この時は水の真下に居なかったので濡れはしませんでしたが、いきなりの出来事にものすごくびっくりしたのを覚えています。

これは何事かと頭上を見上げると、窓から身体を乗り出してタオルか何かを絞る、若いお姉さんの姿が。窓にとりつけてある小さな洗濯竿に、絞った下着やらタオルやらをどんどん干していきます。

住宅難のパリでは、部屋が狭かったり配管がなかったりして洗濯機がない物件が多くあります。このお姉さんも洗濯機を持っていないのか、手で洗濯物を絞ってから干していました。