キリスト教の国、イタリア。クリスマスは一年で一番大事なイベントで、日本のお正月によく似ていて家族で一緒に過ごして祝うという習慣があります。
11月に入ると街は少しずつクリスマス支度を始め、12月に入ると普段は日曜日は閉まっている店もクリスマス商戦で営業。
多ければ数十にも及ぶリストを抱えて贈り物を探す人々で街はごった返し、クリスマスの週には日本のお歳暮のようにプレゼントを持って挨拶周りが始まります。
今回は知っているようで意外と知らない、本場イタリアのクリスマスシーズンについてご紹介しましょう。
本格的なクリスマスシーズンは12月8日から
街や店のクリスマスデコレーションは11月になるとはじまるものの、本格的なシーズン開始は12月8日。祝日の聖母受胎(聖母マリアの母アンナが聖母マリアを懐胎した日)の日にはミサはもちろん、各地でお祝いのイベントが催されます。
伝統的には家庭でもプレゼピオと呼ばれる、キリスト生誕の場を人形で表した模型を飾り始めます。
ちなみに、本来クリスマスツリーは北ヨーロッパの文化で、イタリアはツリーを飾る習慣はなかったのですが、現在ではバッボナターレ(サンタクロース)同様として根付き、正式にはこの頃から飾り付けを始めます。
いよいよナターレ(クリスマス)!
プレゼント探しに奔走し、お世話になった方への挨拶が終わったら、やっと落ち着いてクリスマスが迎えられる!?いえいえ、今度は台所に立つ人たちが家族親戚全員分のご馳走を用意するため、食材の予約に買い出し、とっておきの食器やリネン類をだしたり、と大わらわ。日本の年末と雰囲気がよく似ています。
クリスマス・イブの夜には、日付をまたいでミサが行われます。特にイタリア南部など、地域によってはクリスマスの昼食よりもイブの夕食を盛大に祝う習慣があり、魚料理を食べます。
そしてクリスマス当日。イブの夜同様、クリスマスの昼時には、ビシっと決めた服装のイタリア人達が賑やかに挨拶を交わしながら家の中に吸い込まれるように消えていき、道から人も車も消え去り、しーんと静まり返ります。
家族親戚が大集合した家の中では、アンティパスト(前菜)から始まり、プリモ(パスタやリゾット、スープ)、セコンド(肉か魚料理)とコントルノ(付け合せ)、ドルチェ(デザート)、食後酒やコーヒーまで、と大体13時頃に始まって、ドルチェにありつく頃には16時過ぎなんていうのはざら。
ドルチェと同時にプレゼント交換。子ども達は今か今かと待ち望んでいた瞬間です。クリスマスツリーの下に山積みになったプレゼントを開封して、パネットーネというドライフルーツが入ったどっしりとしたドルチェを楽しみます。
限界まで食べ続け、コーヒーを飲むことには18時近く何ていうことも。耐久レース並みです。翌日の12月26日は聖ステーファノの祝日でお休み。イタリアのクリスマスの休日は3日続きます。
まだまだ続く、クリスマス気分
イタリアは年末年始の休みは1月1日のみ。大晦日から1日にかけては友人と集まって夕食を食べ、花火や爆竹をあげて、盛り上がります。
- 1
- 2