それでも、知らない人がいないという安心感は大きいですし、むやみに他人を攻撃するというトラブルは少ない傾向にあるでしょう。

東京には個性と変革がある。田舎には人間らしさがある

東京での一人暮らしを経験して地域密着型の田舎の生活に戻ってみると、両者に関してさまざまな気付きがありました。

東京では「他人」という壁を一人ひとりが作っているにも関わらず、その「他人」を気にして消耗しながら生きている人が多いということ。

東京は田舎とちがって、ウワサや外見にとらわれずに多種多様な生き方ができること。

田舎生まれ田舎育ちの筆者にとっては、ゼロから新たなアイデンティティを作れる東京の暮らしはとても新鮮で、自分の個性や価値観を広げてくれました。

田舎に住む人の多くは「東京は怖い」と考える人が多く、田舎から出たいという願望はありません。一方で、東京に住んでいる人の多くが田舎への移住に憧れています。

そこにあるのはやはり「人付き合い」なのではないかと感じます。田舎には東京のクリエイティブさはないけれど、人との交流で心温まる瞬間がたくさんあって、人間味をとり戻すことができるのです。

都会と田舎の生活を両方経験してみて思うことは、人はどんなに孤立してもひとりでは生きていけないような仕組みになっているということです。

そして、自分がうまい距離で付き合える人間関係がある場所を探すことが、楽しく健全に暮らす秘訣なのではないでしょうか。