私がスウェーデン人の夫の元へ移住して間もなく6年が経とうとしています。移住して最初の一年間、私達は同棲カップルとして一緒に暮らしていました。

結婚を機に生まれ育った母国を離れ海外へ移民するということは、何もない状態から現地社会で自分の居場所を作り上げるということでもあります。

だからこそ、私自身はそれを成し遂げることのできる人間か、そして夫はそれに伴う苦楽を共有できる人間かどうかを見極める必要がありました。

昨今の日本でも、「お互いの本質を十分に見極めた上で結婚したい」と考える男女は少なくないため、結婚前の同棲はより一般的なものとなっています。しかし、その一方では、「女性側には同棲をするメリットが一切ない」等、同棲に関しての先入観や否定的な考え方も根強く残っています。

今回の記事では、私自身の経験を通じて発見した、同棲の決定的なメリットとデメリットをご紹介します。

メリット1.より多くの時間を共に過ごすことができる

愛する人とより多くの時間を共に過ごしたいという願望はごく自然な感情です。

しかし、別々に住んでいるカップルの多くは、忙しい合間を縫って、平日の夜や週末等の限られた短い時間を共に過ごすというケースが殆どです。

私と夫の場合も、日本とスウェーデン間での遠距離恋愛を選択するということは、年間約2~3週間程度しか共に時間を過ごすことができないという事実を意味していたため、かなり早い段階で、どちらかが相手の居住国へ移住し一緒に暮らすことを決めていました。

メリット2.お互いのライフスタイルや人間性を見極めるための判断材料が得られる

一緒に暮らしていなくても、社会問題や政治経済、文化、日常の些細な出来事等、様々な話題についての会話を通じて、ある程度お互いの価値観や考え方を把握し合うことはできます。

しかし、家庭生活において不可欠である生活能力、精神的自立度、コミュニケーション能力、問題解決能力、金銭感覚等に関しては、実際に相手の生活態度を観察することなしに判断するのは難しいと言えます。

実際に、家事能力がない、トイレを使用後に汚れを拭き取るというレベルの基本的生活習慣が身についていない、精神的、経済的に実家に依存している等のお互いの重大な問題を、結婚後に初めて認識したという夫婦は少なくありません。

メリット3.安心して何でも話し合える信頼関係を築くことができる

「お互いに自分の考えや感情を言葉で伝えるということができているか」「お互いが持ち掛けた議論にどのような姿勢で応じているか」等を観察し合い、改善をするという作業を繰り返すことで、「話し合いを通じて問題解決を図る」という土台を築くことができます。

この土台があるということは、二人の人間が共に生きる上で必須条件です。

共同生活をする中で、日常のあらゆる事柄について話し合い解決するという具体的な経験を通じて、「この人と一緒に生きていきたい」と確信することができるのです。

ABOUTこの記事をかいた人

神奈川県横浜市出身の30代の日本人女性です。2012年に、スウェーデン人男性と結婚し、スウェーデン南部へ移住しました。現在は、現地の大学で心理学と教育学を勉強しています。また、学業の傍ら、スウェーデン在住ライターとして、海外生活、留学、異文化理解、ヨーロッパと日本の教育などに関する記事を投稿しています。