海外に行ったときの楽しみのひとつと言えば、食文化を堪能すること。しかし、実際に海外で生活して自分で料理をしてみると、「日本では普通にできたことなのに!」と驚くことが多々あります。

そこで今回は、カナダ生活二年を経て私が感じた、カナダでは通じない日本の食生活のポイントについて紹介します。

卵は生で食べられない

和食は世界的に爆発的な人気を誇っています。もちろんカナダでも、寿司やラーメン、焼肉、てんぷら、じゃぶじゃぶ、すき焼きなどを提供する日本食レストランはたくさん。

しかし、カナダでは卵を生で食べる習慣がありません。そのためすき焼きは日本と違って、素材を卵につけて食べませんし、日本人が大好きな「卵かけごはん」なんて言語道断なのだとか…。

生で卵を食べる習慣がない理由は、卵そのものにあります。日本では卵にサルモネラ菌に感染しないよう、殺菌消毒処理がされていますが、カナダをはじめ他国では生食を食べることを前提にしていないため、日本で行っているような処理はしていません。

サルモネラ菌に感染すると食中毒になり、最悪の場合死亡してしまう恐れがあるため、カナダでは生卵を食べる習慣がないのです。

私は卵かけごはんが好きなので、カナダに来てから恐る恐る一度トライしたことがあります。幸いにも私は大丈夫でしたが、一緒に生卵を食べた主人がすぐお腹の調子を悪くしてしまいました。(症状の表れ方には個人差があるので、皆さんは気を付けてくださいね!)

生卵を食べられるのは、日本独特の習慣と生産過程の技術によるものだということをしっかり押さえ、カナダでは食べないようにしましょう。

水道水は直接飲まないのが当たり前

日本では、水道水を飲む人は多くいるでしょう。しかしカナダでは、地域によっては水道水を飲むことがあまり好まれないところが多くあります。

その理由としては、水の硬度や軟化剤の影響があるためです。水の硬度は、水1000ml中に含まれているカルシウム量とマグネシウム量で決まります。

WHO(世界保健機構)では、マグネシウムとカルシウムの含有量が1000mlあたり120mg未満だと軟水、120mg以上を硬水と定めており、カナダの多くの土地では中硬水~硬水で、日本の水道水は50mg前後の軟水の地域がほとんど。

硬水だと、「水にミネラルが豊富に含まれているから体に良いのでは?」と思う人もいるでしょう。

確かに軟水と比べると、ミネラル量が多いためダイエットや美容にすすめられることが多いですが、硬水は口当たりが硬く、喉ごしがかなりしっかりしています。そのため、慣れないと非常に飲みづらく、また人によってはお腹を壊してしまうケースもあるのです。

また、カナダには混ぜることで水の硬度を和らげる軟化剤というものがあり、水の硬度が高すぎる地域には、水道水やバスルームの水に軟化剤を混ぜているところもあります。

軟化剤が入っていると水は軟らかくなりますが、薬剤独特の臭いがするため飲み水として適さなくなってしまうのです。