離婚後の子供の養育費や生活費に関しても、スウェーデンでは税金によって学校教育が運営されているという事情に加え、男女問わず経済的に自立している人が殆どであるため、「お金がないから離婚できない」という夫婦は少ないのです。

また、共同親権が原則であるスウェーデンでは、両親が離婚後も協力して育児をすることで親として子供への責任を果たすことができるので、子供のために仮面夫婦を演じ、愛情のない結婚生活を続ける必要性はありません。

結婚後もお互いの気持ちを確かめ合うということ

とはいえ、スウェーデンの全ての夫婦が、新婚当時と全く変わらない恋愛感情をパートナーに抱いている訳ではないのです。時の流れや生活の変化に伴い、夫婦の在り方やお互いへの感情に変化が生じるということは、日本でもスウェーデンでも共通です。

それでも、離婚をせずにあえて夫婦関係を継続するスウェーデン人夫婦の多くは、「長年連れ添っていればお互いへの情熱は薄れるのが普通だし、相手も同じように考えているだろう」というように、自己完結をしません。

「変わりつつある二人の関係をどう考えているのか」「両者が望む形で愛情表現をし合うことができているか」ということを話し合いによって確認し合い、お互いにとってより幸福度の高い夫婦関係を築く姿勢を見せるということは、彼らが結婚生活を続ける上では必須なのです。

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神奈川県横浜市出身の30代の日本人女性です。2012年に、スウェーデン人男性と結婚し、スウェーデン南部へ移住しました。現在は、現地の大学で心理学と教育学を勉強しています。また、学業の傍ら、スウェーデン在住ライターとして、海外生活、留学、異文化理解、ヨーロッパと日本の教育などに関する記事を投稿しています。