進学、就職、結婚、出産、離婚、新しい出会い。人生には幾度となく今後の生き方を左右する重大な選択をする機会が訪れます。

今回の記事では、ライフスタイルの多様化したスウェーデン社会には、結婚や出産という家族形成に関してどのような価値観や選択肢があるのかについてお伝えします。

 

結婚を必ずしも恋愛のゴールとは考えないスウェーデン人

日本では、「恋愛のゴールはあくまでも結婚」と考える人が多いと思います。同様に、同棲も結婚前のお試し期間として捉えられることが一般的です。

しかし、スウェーデン人カップルの多くは、同棲を必ずしも結婚という形に繋げなくてはならないとは考えません。

彼らにとっては、心から愛する人と出会い、共に暮らし、その生活の中で幸福であることさえ実感できていれば、法律上結婚しているかどうかは重要ではないのです。

そのため、同棲中のまま結婚をせずに住宅を二人の名義で購入したり、出産し共同で育児をしているというカップルは少なくありません。

スウェーデン人女性の考えるキャリアと出産

スウェーデン人女性の多くは人生において、キャリアを通じて自己実現するということを重要視するため、自身の進む道を定めた上で高等教育を受け、目標としているキャリアをある程度確立してから出産をしたいと考えます。

そのため、第一子の出産時の女性の平均年齢は約29歳、地域によっては30代前半と比較的高めとなる傾向が見られます。

若年出産=貧困の連鎖に陥るとは限らないスウェーデン社会

とはいえ、年齢や婚姻状態、子供の有無に関係なく、誰もが人生のあらゆる段階で教育を受け直したり転職することが可能なスウェーデン社会では、子供がいることが必ずしも将来キャリアを築く上での弊害になるとは一概に言えないため、キャリアを構築する前に出産をするという選択も可能ではあるのです。

子供が保育園に入園できる最低年齢である一歳を迎えるまで育児に専念し、その後、学業や職業訓練等を再開するという男女は、スウェーデンでは全く珍しくありません。

教育や社会経験の乏しい若いカップル及びひとり親世帯が、育児と同時に学業や求職活動に取り組むことのできる要因として、返済義務のない奨学金や教育ローン、16歳以下の子供のいる全ての家庭に対して支払われる子供手当、住宅補助手当て等の社会福祉制度が挙げられます。

血縁関係にこだわらないという家族の形

様々な理由で生物学上の子供を授かることが困難なカップルが、「家族のいない子供を愛情の溢れる家庭環境で養育したい」という思いから、血縁関係のない子供を養子として迎えるという選択肢をすることもスウェーデンでは一般的です。

養子として迎えられる子供達は、スウェーデン人やその他ヨーロッパ人のみならず、アジアやアフリカ出身である場合も多いため、親子間で人種が異なるという家庭も少なくありません。

また、現在のところ、ドナーである他人の卵子や精子の提供を受けた上で妊娠、出産をするという選択は一定期間同棲や結婚をしているカップルに限られていますが、デンマーク等のシングルによる女性のドナーを介した人口受精を認可している国で妊娠し、スウェーデンでシングルマザーとして出産、育児をしている女性も多数います。

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ABOUTこの記事をかいた人

近藤万祐子

神奈川県横浜市出身の30代の日本人女性です。2012年に、スウェーデン人男性と結婚し、スウェーデン南部へ移住しました。現在は、現地の大学で心理学と教育学を勉強しています。また、学業の傍ら、スウェーデン在住ライターとして、海外生活、留学、異文化理解、ヨーロッパと日本の教育などに関する記事を投稿しています。