ひとり親家庭や再婚家庭が肩身の狭い思いをしないスウェーデン社会
スウェーデンでは、両親共にフルタイムの仕事あるいは学業に従事し、その間一歳以上の子供を保育園に預け、社会性を身につけさせるという家庭文化が根付いているので、母子家庭に対してのみ「母親が家にいないなんて子供がかわいそう」という批判や、「生活に苦労しているのね」という先入観が向けられることはありません。
実際に、高等教育までの教育が税金によって賄われているスウェーデンでは、各家庭が子供の教育費を負担する必要がないため、母子家庭が必ずしも経済的に困窮しているという訳ではないのです。
離婚経験者の恋愛や再婚に対しても、「バツイチ」という蔑んだ目で見られたり、具体的にネグレクト等の事実がないにもかかわらず、「親が子供への責任を果たさず自分の幸せばかり考えている」という類の偏見に晒されるということは稀です。
加えて、共同親権の原則により、両親の離婚や再婚後も両方の生物学上の親から養育を受けるという子供の権利が保障されているため、離婚や再婚によって片方の親を子供から取り上げるという形にはならないのです。
再婚家庭では、子供が親の再婚相手を新しいお父さんお母さんとは認識せず、礼節はわきまえた上で年の離れた友達同士のような関係を保つことが一般的です。
以上のような背景から、スウェーデンでは離婚をして新しい人生をスタートすることや、離婚後に新しいパートナーに出会い一緒に暮らすということへのハードルが低いと言えます。
幸せの形は十人十色!
周囲の期待や社会的規範に沿って生きるのではなく、個人が自分の人生において何が大切だと考えるか、何をしたいかを基準に意思決定し行動することが主流である個人主義のスウェーデンでは、「人生のどの時点でこれをすれば幸せになれる」という規格がありません。
各個人が能動的に考え選択肢を作り出すことで、家族の在り方の多様性を含め、十人十色な生き方を実現することができるのです。
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