小学校低学年時代から、「仲良しグループ」の結成にはじまり、中学、高校、大学、職場、ママ友、熟年を迎えた世代の女性たちの間でも、女性のグループ的集団は世代を超えて存在し続けます。

本気で居心地のいい仲良し集団であれば、それはそれでとても幸せなこと。だけど、年齢を重ねるにつれ、その仲間たちと集うことが億劫に感じたり、はたまた心の病を引き起こすほど深刻だったり。

それでも「友達なんていらないわ。私はいつでも一人でいい」とハッキリ宣言できる女性は圧倒的に少ないでしょう。ラインやフェイスブック、インスタの普及で、「友達が多いこと」が、ステイタスだと病的までに信じる女性たち。

どうしてそんなに集団がいいの?どうして一人ではダメなの?その心理を紐ときながら、「快適な女同士の集団行動」のコツを一緒に探っていきましょう。

集団から離れられない女性たち

男性の方はピンとこないかもしれませんが、社員食堂で一緒にランチを食べる同僚がいないという理由で、退職を希望する女性、実際に多いそうです。本来なら、安くて種類も豊富な、社員の為の社員食堂。

そこを利用する女子社員たちのほとんどは、決まったグループが存在し、いきさつがどうであれ他部署同士の女性グループもできあがり、毎日必ず同じメンバーでランチ。そしてそして、殆どのグループが、どこも和気藹藹と実に楽しそうにお喋りに花を咲かせています。

そんな中、どういうきっかけだか、どこのグループにも入る機会を逃してしまい、やむなく一人ランチをすることになってしまった不運な女性も存在します。

男性の方や、会社に社員食堂がなく、こういった光景になじみのない方なら、「しれっと知人のグループに入ればいいんじゃない?」と思うでしょう。はたまた、「空いてる席で一人で食べても問題ないでしょ」とも思われると思います。

ですが、女性にとって、盛り上がっている仲良しグループに突然入っていくことも、一人でポツンと座ってランチすることも、大袈裟にいえばビッグプロジェクトの責任者を任されるより、大変なことだったりします。

一人ランチを余儀なくさせられることになったA子さんの話をします。「一週間、社員食堂で一人ランチしました。周りの目が気になって気になって。“あいつ、嫌われてるんじゃないか”とか、他の男性社員たちに思われている気がして。

女性グループの高い笑い声が全部、一人ランチをしている私を嘲笑っているんじゃないか?なんて、被害妄想でいっぱい。とにかく大急ぎで食べ終わって、こそこそとオフィスに戻って、仕事したりしていました」

A子さんは、派遣社員だったこともあり、一週間で退職したそうです。ちなみに、ランチ以外の勤務時間中に、「疎外感を感じたことはない。皆、優しくて普通だった」とA子さんは語ります。

おそらくは皆から嫌われていたわけではないA子さん。幼いころから「ずっと何かしらの仲良しグループに所属していた。一人ランチがこんなに怖いものだとは思わなかった」とのこと。

A子さんが一番辛かったのは、一人寂しいランチではなく、どこの集団にも所属できない不安感、焦燥感だったのではないかと推察できます。どうしても集団でないと自分の居場所を確保できない心理、女性の方ならある程度はお察しいただけるのではないでしょうか。

ランチの時間が憂鬱でたまらない

一方で、A子さんから見れば、楽しそうに映っていたはずの、仲良しランチ集団に所属するB子さんの話もお聞きしてみましょう。なんと彼女は、ランチの時間が憂鬱でたまらなかったと心情を語ります。