自国の常識が他国では非常識と取られてしまうことってありますよね。特に、日本人は常識的な人が多いというイメージがあるので、旅先でも自国の常識を持ち込むことに抵抗を感じない人が多いように思います。

お隣の韓国への旅行は距離も近いし同じアジア圏なので似ている部分も多く、日本人の常識で行動しても問題ないように思いがち。でも、そこに思わぬ落とし穴があることもあるかも知れません。

そこで今回は、韓国への旅行で日本人が間違うありがちな常識をいくつかお伝えしたいと思います。

茶碗やお皿を手に持って食べない

日本人の食事のマナーや常識として、左手でお茶碗やお皿を持ってご飯を食べるという習慣がありますよね。お茶碗などを持たなくてもお皿に手を添えて食べなさいと親からしつけられた人もいると思います。

それが、韓国ではお皿を持ってご飯を食べるという常識はないんです。韓国は昔からステンレスの食器を使っていたために熱々のスープや、温かいご飯を入れると器がとても熱いんです。

なので、食事のマナーとしてお皿を持たないというよりは、熱くて持てないから習慣的にお皿を持たないで食べるようになったというのが正しいようです。

でも最近、韓国は日本食ブームでお寿司や丼ものを食べるとき、味噌汁がお椀に入って出てきます。お椀は持っても熱くないので、手で持ってすすって飲む人もいれば、韓国式に手で持たずにスプーンですくって味噌汁を飲んでいる人もいますよ。

お酒がグラスに残った状態で継ぎ足しはしない

日本のお酒のマナーとしては、瓶ビールなどを飲んでいて周りの人のグラスが半分以下になっていたら、すかさず継ぎ足そうとしますよね。日本では相手のグラスが空になるという状態で放置しておくのは失礼に当たると考えられているからです。

ところが、韓国ではまだグラスにお酒が入っている状態でお酒を継ぎ足す行為はマナー違反になります。どうしてかと言うと、日本の法事にあたるチェサという亡くなった人を弔う行事に、死者にお酒を継ぎ足す行為があるからだと言われています。

完全にグラスが空いた状態でお酒を継ぎ足すのが韓国の常識です。もし、グラスにお酒が残っている状態でお酒を継ぎ足そうとすると、韓国の人は残ったお酒を一気飲みしてグラスを空けてから継ぎ足してもらおうとするはずです。韓国人とお酒を飲む機会がある場合は、注意してくださいね。

韓国では正座はしない

韓国への旅行で日本人が間違う

床で食事などをする場合に、正座してきちんと食べるのが日本人の常識です。ですが、韓国では正座はほとんどしません。なぜなら正座は罪人の座り方とされ、今でも子供たちに罰の代わりに正座させるというくらいのものだからです。

時々、癖で韓国で正座して座ろうものなら韓国人の人からすぐに「足を崩して楽に座ってください」と言われてしまいます。韓国では女性であっても、あぐらや片足だけ立膝で座るのが一般的。

韓国人で正座をして座っている人を見たことがありません。韓国へ旅行に行ったときに床に座る食堂に入ったら、周りの女性たちの座り方を観察してみてください。たぶん、お姉さん座りしてる人もいないはずですよ!

お会計をするときレジ前で時間をかけない

割り勘文化が浸透している日本では、レジの前で「別々にお会計してください」と言えば数人分の料理を一人一人支払えるようにしてくれますよね。

最近は韓国でも割り勘するようになっては来ましたが、それでも昔から1人の人がまとめてお会計するという習慣があったために、レジに立つ人もお会計に手間や時間をかけることを嫌います。

もし友達と韓国へ旅行に行ったとき食事のお会計を別々にしたい場合は、誰かがまとめて払っておいて、店を出てから割り勘するという方法が一番いいでしょう。韓国はウェイトレスとレジを兼任している場合も多いために、お会計はスムーズに行うのがベターです。

女性のタバコは人のいないところで!

日本人は男性も女性も喫煙していい空間なら一目を気にせずにタバコを吸いますよね。韓国は、タバコを吸うのにも日本よりもマナーが厳しいんです。男性の場合も、会社の上司や目上の人、それに親の前ではタバコを堂々と吸うのはタブーとされています。

女性のタバコは、韓国では更に厳しい目で見られます。なので、女性は野外でタバコを吸いにくいためにトイレなどの人目のつかない場所で隠れて吸います。女性の喫煙者の場合は、韓国旅行ではそういった文化に配慮をした喫煙を心がけてくださいね。

乗りたいバスが止まってくれるか分からない

韓国のバスは常に時間との戦いです。バスの運転手は時間通りにバスを走らせようと必死で、乗客がバスに乗り込んだと同時にバスを走らせるし、バスの運転手の気持ちが焦っていたりすると降車口のドアを開けてくれないこともあります。

そんな状況があるので、韓国のバスは停留所に乗りたい雰囲気の人がいないと勝手にスルーして止まらずに行ってしまうことがあるんです。

何分も待ってバスが来たと思ったらスルーされてしまうって、とても悲しい気持ちになります。なので乗りたいバスが近づいてきたら、タクシーを止めるくらいの身振り手振りをしてみるか、バス停の前に出てバスの運転手の方をじっと見つめて「わたし乗ります」と視線を送ってください。

韓国には韓国の常識やマナーが

今回は韓国へ旅行に行く日本人が間違えている常識についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?食事中のマナーや常識も意外と日本と違うところがたくさんありますよね。

郷に入っては郷に従えという言葉がある通り、韓国へ旅行に来た際は韓国式の常識やマナーを知っておくと恥をかくこともないですしお得なこともあります。是非、韓国旅行の参考にしてくださいね。